ガチ恋勢の推し活記録

目指すは恋人?いいえ、愛人希望です。

ウエディング・・? #02

こちらは2話目になります。

最初は以下からどうぞ。

eminy.hatenadiary.jp

 

 

***

 

 恵美が承諾の連絡をして暫くすると、打ち合わせ日時の連絡があった。

 すぐに仕事の休みを取り、クローゼットの中身と睨めっこを始める。

 

「打ち合わせって、近江さんも出席されるのかな?え、どんな格好をしていけばいいんだろう……。あんまり気合入れすぎると引かれちゃうかな……」

 

 接触イベントでも、他のファンが全然いない状況で何時間も顔を突き合わせる事なんて無い。

 散々悩んだ結果、皆仕事として来るのだから、と少し綺麗目なオフィスカジュアルスタイルにする事にした。

 

 

 打ち合わせ当日、事務所へと訪れた恵美。

 

「うわぁ、ここが近江さんの事務所かぁ!ここに来る事もある、って考えるだけでドキドキしちゃうなぁ~」

 

 早すぎても迷惑になるかと考え、指定された時間の10分前に到着するように来た恵美だが、通された応接室には既に近江雅樹とそのマネージャーが待っていた。

 

「っ!お、お待たせしてしまったみたいで、すみません。東条恵美と申します、よろしくお願いします!」

 

 扉の前で慌てて自己紹介をした恵美に、温かな笑い声が届く。

 

「うん、知ってるよ、恵美ちゃん。俺も自己紹介した方がいいかな?近江雅樹です、今回はオファー受けてくれてありがとね。よろしく」

「まだ時間の前なので大丈夫ですよ。近江が早いだけです。あ、青山由紀です。近江のマネージャーをさせてもらってます。よろしくお願いしますね」

 

 二コリと笑った青山に促され、2人の対面にあるソファへと腰掛ける。

 恵美を見て機嫌よさそうに、ニコニコと素の笑顔を見せる近江雅樹を見て、少し挙動不審になるが、それが面白いのか声を抑えながらも更に笑い出した。

 

「折角いらっしゃってもらったのに失礼ですよ。コーヒーで大丈夫ですか?近江の奢りですよ」

「えっ、あっ、はい、ありがとうございます」

 

 ウインクをしながらコーヒーをタンブラーに入ったコーヒーを取り出す青木。

 それを反射的に受け取りお礼を言いつつも、いまだに恵美の頭はパンク状態のままだ。

 

「ハハッ。ごめん、ごめん。見てると可愛くて面白いからつい」

「ひぇっ……、きょ、恐縮です」

 

 赤らめた頬を誤魔化すように、両手で持ったコーヒーを啜る。

 面白そうに少し意地悪な笑みを浮かべ、恵美を見つめる近江を極力意識しないように、青木に差し出された資料を確認し始めた。

 

 青木による説明が始まると、自然と3人とも仕事モードに切り替わり、スムーズに打ち合わせが進んでいく。

 時折盗み見た近江の顔が真剣そのもので、ドキっと胸を高鳴らせつつも、折角声を掛けてもらったのだから自分も真剣に良い物を作らないと、と気を引き締めた。

 

「衣装のフィッティングを、ここからここまでの日程で行いたいですね。近江はこの日に行うとして、可能であれば東条さんも同じ日程だと有難いのですがいかがですか?」

「っはい!全然いつでも予定空けれますので!だいじょぶです」

 

 衣装のフィッティングと同時に、ヘアメイク等も合わせるとの事だ。

 次回の予定を決め、打ち合わせはお開きとなった。

 

「恵美ちゃん、今日は急だったけど本当にありがとね。今後も俺の予定に合わせてもらう事になっちゃって、申し訳ないけどよろしくね。衣装合わせ楽しみにしてるよ」

「とんでもないです!近江さんこそ、かなりご多忙だと思いますが、その中でもお時間作って頂きありがとうございます。わ、私も楽しみです、よろしくお願いします!」

 

 退室しながら何度も頭を下げる恵美に、微笑みを浮かべ近江が手を振る。

 

 ぽわぽわとしたまま、恵美は気が付くと自宅に帰っていた。

 

「夢のような時間だった……。認知されてるとは思っていたけど、まさかあんな風に名前を普通に呼んで頂けて、尚且つあんな無防備な笑顔を見せてもらえるなんて……っ!もう召されてもいい……っ!!」

 

 ベッドにダイブし、今日の事を思い出しては暫く悶絶をしていた。

 

 

***

 

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